現代社会を生きる僕たちより鬱になりそうなポケモンの話

ポケモンはむごい。ポケモン歴15年くらいの僕が言うくらいむごい。

簡単に言ってしまうと、ポケモンの対戦がむごい(ゲシュタルト崩壊)

対戦と言っても、友達と和気あいあいとプレイするアレではなく、純粋に勝利を求めるガチ対戦だ。さながら鬱病蔓延る現代社会のよう。

ここがむごいよポケットモンスター

  1. 対戦の舞台に立てるポケモンは思ったより少ない
  2. 性格で一生が左右される上に、変更できない
  3. 生まれた時から能力が判別される
  4. 下手をすれば一度の失敗でクビにされる
  5. 実際に活躍するポケモンはもっと少ない
  6. 広がるポケモン格差

 

全720匹中、まともに戦えるのは半分以下

1996年に「ポケットモンスター赤・緑」が発売してい以降、国内外問わず広く遊ばれてるこのシリーズ。

来年にはもう20周年、少年時代に初代を遊べて本当に良かったなぁと今でも思う。

シリーズが移るごとに100匹超の新ポケモンが追加されるのが楽しみの一つなんだけど、積もり積もってもうポケモンの数が720匹近くもいる。

これだけ数が多いと対戦の幅は広がるなーと思ってたけど、実は思ったより少ない。

当たり前だけど、勝つためには強いポケモンが必要だ。

強いというのにも色々あるけど、一番分かりやすいのが「能力値」の高さだ。

この能力値はポケモン一匹一匹についており、進化したポケモンほど高くなる。

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つまり進化をするポケモンの場合は、最終進化後のポケモンが使われることになり、進化前のポケモンが使われることはほとんどない。

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もちろん例外はあるけれど、基本的には最終進化ポケモン+元々進化しないポケモンが使われると言って良い。

こうして全720匹のポケモンから、進化前のポケモンと、通常の対戦で使用できない伝説のポケモンを除くと、戦えるポケモンは実に349匹となりざっと半分にまで減る。

ポケモンにも機会の平等はない。むごい。

(全349匹の一覧をまとめたファイル)

 

損する性格・得する性格

ポケモンには性格があり、それによって能力の伸びしろが決まる。

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 例えばこの初代から強力なポケモンとして知られるヤドランとゲンガーを例にとると

f:id:hagoromox:20150312141227g:plainゲンガーは特殊攻撃力(特攻)と素早さがとても高いので、戦わせるなら「特殊が上がり攻撃が下がるひかえめ」か「素早さが上がり攻撃が下がるおくびょう」が一般的。

 

f:id:hagoromox:20150312141241g:plainヤドランは全体的にHPと防御が高いので、技で押し切るよりも相手の攻撃を受けることに特化した方が良い。そこそこの特攻もあるので、大体のヤドランは「防御が上がり、攻撃が下がるずぶとい」が重宝されている。

 

ポケモン勝負の鉄則は「ポケモンの役割をはっきりさせること」である。

「この子はアタッカー」「あの子は物理攻撃受け」としっかり役割分担をし、

役割を最大限遂行できるように能力を特化するのが肝要だ。

駆け出しの初心者にありがちなミスに「どの能力もまんべんなく強化する」があるが、ポケモンの世界でそれは「何も出来ない」と同じことで、器用貧乏でしかない。

 

あー、性格が親(トレーナー)に決められるのがむごいのね。

もちろんそれもあるけど、そうじゃない。先ほどの性格表から

「何の能力も上がらない・下がらない性格」があるのにお気づきだろうか。

表の左上から右下の斜めにかけて書かれている

がんばりや きまぐれ すなお てれや まじめ の5つだ。

この性格は何の能力も特化することが出来ないので、器用貧乏を生み出すだけの無意味な性格である。

気紛れや照れ屋は良いところも悪いところもあるから何ともいえないけれど、

ポケモン世界では「頑張りや」な子も「素直」な子も「真面目」な子もゴミなのである。いくらトレーナーに「僕は何事も頑張れる性格です。一生懸命頑張ります!」と言ったところでボックス行きは免れないのだ。

僕たちの社会でも、少なくとも義務教育までは努力が評価されているように思う。

宿題を終えられなくても、「ここまではなんとか頑張りました」と言えば及第点はもらえた。それが社会に出るとすぐに、努力の代わりに結果を求められるようになる。結果に対して掛けた努力の量などどうでもいいことだ。

同じように、ポケモンもただストーリーをクリアするだけなら能力はさほど問われない。どれだけ頑張って相手を倒してレベルアップしたかの方が重要で、才能を経験でカバーできた。

こう考えると、ガチ対戦とは、ポケモンにとっての社会人デビューなのだ。むごい。

 

「お前に才能はない」と言われる子たち

ポケモンにはそれぞれの能力値があるが、実は同じポケモンでも能力の差がある。

人間とゴリラで握力に差があるのは当然だけれど、同じ人間でも双子で頭の良さが違ったりするのと同じ感じだ。

育てたいポケモンの能力が最大値でなければポイっと捨てられるのだ。

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これが僕達なら、出生後に医者から「この子は足が遅いけど人よりは頭の回転が速いですから、ホワイトカラとーの仕事が向いてますよ」と言われた親が、「でも東大レベル(最大値)じゃないならいらないわねー」と言い返すようなものだ。

もちろん現実では人の才能を判断することは出来ないが、ポケモン世界ではジャッジと呼ばれる人物によって完璧に分かってしまう。 おそろしや。

 

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代わりはいくらでもいるもの

そうして幾度の選考をパスして対戦の舞台に立っても、待っているのは過酷な環境だ。

相手を倒すには強い技を覚えさせるのが定石だが、強い技は決まって命中率が低い

そのためポケモン勝負では「当てれば倒せるけど、外れたら倒される」シーンが非常に多い。もしも外れたら、トレーナーから執拗な罵倒を浴びせられる

「なんで外すんだよゴラァ!」「はー、ほんま使えんわ」

もしもそれが残り1対1の場面だったら、解雇は不可避だろう。

ポケモン世界の雇用流動性は、解雇規制緩和政策が進展した未来の日本よりも高い。

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相手と戦うと同時に、自分の中の不安とも戦っているのだ。むごい。

活躍できるのは一握り

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先ほど、まともに戦えるポケモンが349匹と言ったが、実際に前線で活躍しているのは数えるほどしかない

これは実際に対戦すれば分かるが、プレイヤーが何万と居ても、上の表に出ているポケモンが必ず一匹は入っていると言っても言い過ぎでない気もする。

それくらい、強くて使われるポケモンと弱くて使われないポケモンははっきりしているのだ。運よく合格したと思ったら、すぐに同期との出世競争に晒される新入社員のような気分を味わうことになる。

強さは人気・人気は強さ

ポケモンの強さに格差があるなら、弱いポケモンを強化して解消することも出来る。

ただし、強化するならその分メリットが無ければいけない。

特段可愛くもかっこよくもない、影の薄いマイナーポケモンに光を当てても「なんでコイツ?」となるだけで、ポケットモンスターというコンテンツのアピールにはならない。金のあるところに金が集まるとはよく言ったもので、

強いポケモンには知名度がつき、知名度は人気に繋がり、人気は更なるスポットライトの的になる。このガブリアスが一番の例だろう。

f:id:hagoromox:20150312141417g:plainガブリアスは能力値、特性、タイプに全く無駄が無い強力なポケモンで、初登場のダイヤモンドパール以来、今もなお使用率トップに君臨している。

 大会でも必ず選抜され、公式でも強いポケモンの代名詞であり、まさにポケモン界のカリスマ的存在だろう。

 

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このガブリアス、実は弱体化されるどころか強化されている。

メガシンカという新たな可能性

 2013年に発売した3DSの新作において、ポケモンは進化を超えた更なる進化、

メガシンカをするようになった。

ポケットモンスター X

ポケットモンスター X

 

 

最終進化のポケモンが更に進化するようになり、新たな特性と能力値をプラスされ強化される。

弱かったポケモンが強化される! ・・・・・

という願い儚く、メガシンカを手に入れたポケモンの殆どが「既に強い」あるいは「人気がある」ポケモンばかりだったのだ。むごい。

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強いポケモンは更に強く、更に存在感を増していく。

それでいていつ自分が蹴落とされるか分からない緊張感。

そんなストレスフルな社会に生きるポケモン達に幸あれ。

 

 

 

ポケットモンスター アルファサファイア

ポケットモンスター アルファサファイア